今回紹介するのは
これが、とんでもない本だったのです!
紙の書籍で読むからこその楽しみを与えてくれる一作。
これは映像化されて見たら、話の『ミソ』が抜けてしまうだろう。そう思うほど、本作は紙書籍で読んでほしいです。
そして、「あれ? なんかどこかで…」と思ったらすぐに該当するシーンを探しにページ捲りをしてほしいのです。
伏線回収がすさまじいので、ページ捲りの『ラッシュ』に見舞われるでしょう。
そして終盤の展開に震えを感じることでしょう。
最後の一文に、「それがこの本の本質か」と腰を抜かすでしょう。
※注意
ろくでもない人がいっぱい出てきます(ラッシュな人たち)
多少グロテスクな部分があります
色々狂った話ではあります(褒めてます)
すなわち、好みが分かれます。
ぶっ飛んだ非日常を味わいたい方におすすめ。
個人的には元気になりました! 胡散臭い表現ですが。
以降、ネタバレ込みの感想雑記
4人の人生がどうつながっていくのかにばかり注目して読んでいると、とんでもないところからの伏線回収に度肝を抜かされる。
表紙のエッシャーの絵を、読んでしばらくして忘れていた私を殴りたい。
文章構造の巧みな歪曲によって、描かれている時間軸がパッと見ではわからなくなっていて恐ろしい。固定概念に囚われ続けた私を殴りたい。
なんて頭のいいことをしているんだ!!
なんでスケッチブックを持った女性が1日だけいると私は思ってしまった??
なんとも、人生と人生はこうもばったり出くわしたり、予想外だからこそ得てしまうものもあったりするものなのか、と思った。
きっとそうなのだろう。
ところどころで行われる『人生のリレー』のモチーフも複数用意されていて、それも綺麗にさりげなく意味のある形に落とし込めてあるからたまげたもんだ。
『リレー順』に登場人物のストーリーが並んでいない仕掛けの巧妙さに畏れ入る。
それなのに、文章構造のトリックに迷いこませるだけでなく、さらっとかっこいい台詞がいっぱいあるってのはどういうことだい?
とにかく、「どっひゃー!」な本。
作者に作品を通して踊らされるのも楽しいものだ。
薦める相手は考えた方がいいが、いろんな人にこのおもしろさを知ってほしい。そんな飢餓状態にいる。
以上。
ぜひ読んでみてくださいね。