ぐらにん。のひとりがたり

読書などの感想・記録をしてます~

『サラバ!』を読みました

西加奈子サラバ!』をイッキ読みしました。

 


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ちょっと今回は「おすすめしたい!!」強い気持ちが早まる一方で、感想を書くのにかなり苦戦していました。何て伝えようか困りすぎて、この文章を書き始めるまでに1週間経ちました。

私なんかの語彙力で言い表すよりも読んでほしいのと、この作品は読み手それぞれの個人に関わる感想を持つ作品のような気がしたからです。正直、私はあまり個人的すぎることは書きたくないので、感想は各読み手に譲ることにしたいと思います。

 

 

とはいえ深くはなくても言えることはあるかと思って少し書いてみます。

 

内容に触れない程度だと、私はこの作品を今読むことができて本当によかったです(効果には差があります、と書きたくはなるが)

正直、死ぬまで手離したくない作品ですね。

 

こんなに手が本のページを求め続ける作品はなかなか経験がなかったです。私の読書経験不足かもしれませんが。

久々にこれだけの長編を読んだにもかかわらず、「何か気になって続きを読んでしまっている」感覚がずっと続いていました。

「なんじゃこりゃ」って思って読んでいても、一旦休憩したあとには気づいたら手が続きのページを探っている。

(心身のエネルギー消費があるので休み休み読んではいましたが、ものすごく早いペースで読んでいました)

とにかく恐ろしい作品だ。

 

 

 

※ちょっと内容に触れます

 

簡潔に言えば、絶対に自分が経験しそうもない人生を読んでいるのに、自分のこれまでの歩みを振り返ってしまう。そして、これからを考えてしまう。掻き乱される。

 

何よりも、読んでいて私が感じていたことを最後に本文で言われてしまって、「やられた!」という気持ちになりました。すごい、まんまと乗せられてる!

 

私はいつも感想を書いたりしたら読み終わった本を片付けてしまうのですが(枕元に本を溢れさせないため)、困ったことに(?)、『サラバ!』の単行本上下巻をしまうことができないんですよ…

手元に置いておきたい感じがずっとある。

 

厚い単行本2冊の体積と重さ、なかなかに存在感を毎日むんむん放っているのですが(苦笑)

まあ文庫版も全3巻で十分な存在感だと思うので結局同じかもしれません。

 

 

ほんと個人的には『「今読むべくして読んだ!」と思った本堂々の1位』になりました。そういうことって私は結構あるのですが、特にこの作品を読んだタイミングがよかったのでしょう。5年くらい温めておいて今読んでよかった…(こうして積読本を貯めるのである)

 

時間と心身のエネルギーに余力がある時に、ぜひ読んでください。